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場面緘黙症の正しい理解。相手が安心できる接し方

投稿日:2019年3月8日 更新日:

 

あなたは場面緘黙(ばめんかんもく)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

私が以前小児科で働いていた時、療育の場でこの症状を持つ患者さんを何名か担当しました。

もしかすると、あなたが気付いていなかっただけで、この症状を持つ人と接したことがあるかもしれません。

ですが、理解がないと正しい接し方ができず、余計に症状を悪化させる原因になることもあります。

この記事では、場面緘黙とその症状を持つ患者さんへの接し方についてご紹介します。

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場面緘黙ってどんなもの?

場面緘黙とは、その名の通り特定の場面で声を出したり喋ったりすることができない症状のことを指します。

場面というのは、

「場所」

「そこにいる人」

「活動する内容」

の3つが関わってきていて、幼稚園や保育園、小学校といった社会的な状況で同級生といるときなどに起こりやすいです。

反対に、家庭では全く問題なく会話することができるため、親は保育士からの連絡により初めて気付くケースも少なくはありません。

幼少期に発症することが多いため、以前は『大人になれば自然と治る』と思われていましたが、何の支援も得られないまま成長すると、その間患者さんは大きなストレスに晒されることになります。

そのストレスから、うつのような症状や不登校といった二次的な問題に発展することがあります。

たとえ自然と話せるようになったとしても、成人してからその時のストレスが思い起こされ、不安障害に悩まされるケースもありますので、なるべく早く適切な対処をすることが大切だとされています。

 

場面緘黙になりやすい人とは

 

場面緘黙を起こしやすい年齢は、2歳頃から5歳頃と言われていますが、そのころの年齢では

 

『まだ十分に言葉を使えていないから』

『引っ込み思案なだけ』

 

といった理由と鑑別が難しく、実際に診断や治療がされるのは6歳以降になることが多いです。

性別では、男児よりも女児の方がなりやすく、1.5倍から2倍程度だとされています。

性格でいえば、もともと内向的な性格を持ち合わせていることが多く、不安になりがちです。

もちろん、なんらかのトラウマを抱えて話せなくなる子もいますが、その場合は場面緘黙ではなく完全緘黙になるケースが多いため、特定の場以外で話すことができているのであれば、トラウマや虐待による緘黙の確率はそう高くはありません。

場面緘黙症の人は勘違いされやすい!

 

周囲の人が正しく理解をしないと、症状が悪化してしまうことがあります。

次は、場面緘黙に対する理解を深めてみましょう。

場面緘黙の人は、大人しいだけだと思われがちです。

たしかに、話さないので大人しいように感じますが、

 

『本人が話したいと思っていても話せない』のです。

 

また、本人が困っていても、社会的な場にいる大人にとっては大声で騒いだり走り回ったりしないため、『問題なし』とされることがあります。

同時に、『親が気にしすぎ』『愛情が足りないだけ』『甘やかしすぎ』だから喋らないのだとも思われていました。

ですので、場面緘黙症の人を正しく理解してあげましょう。

その子は本当はあなたとお話がしたいんです。

でも、どうしてもその場で声を出すことが難しいだけなんです。

なので、その人が場面緘黙だと知ったら

『話さない』のではなく『話せない』と思ってあげましょう。

もし、あなたのお子さんのお友達が場面緘黙症だったら、お子さんにどう接すればいいのかを教えてあげてください。

 

場面緘黙の人にはこう接しよう

 

場面緘黙の人にとって最も怖いことは、

『声を出さなくてはいけない状況を作られる』ことです。

返事を強要したり、返事がなかったからと言って何か罰を与えてはいけません。

あくまで、さりげなく返事を誘導することが大切です。

場面緘黙は、自分を話すことのストレスから守るために起こると言われています。

ですので、そのストレス源となる声を出さなくてはいけない状況は、より症状を悪化させてしまいます。

もし、自分の子どもが場面緘黙だったら、家庭ではいつも通り楽しくおしゃべりをすることを心がけましょう。

「あなたは、学校じゃ上手におしゃべりできないから」と言ってしまうと、余計に意識が話せないことに向いてしまい、ストレスを感じやすくなります。

そして担任には必ず症状があることを伝えておきます。

伝える時期は、子供がその社会生活に慣れてからでよいでしょう。

あまりにも早く伝えてしまうと、子どもがせっかくその場に慣れようと努力をしているのに、担任からさっさと配慮を受けてしまい、自分なりに馴染めないことがあります。

あなた自身が場面緘黙と向き合う場合は、まず反応を引き出すために

 

『Yes/No』

 

で答えられる質問から始めます。

そうすることで、その場面での『会話』に慣れてもらいます。

すると、最初は首を振って反応を示していたのが、短い声での「はい/いいえ」反応、そして単語での反応というように段階を踏んで反応できるようになります。

その場で会話できる人が1人でもできると、その人を介して他の人とも話せるようになりやすいです。

 

場面緘黙への対応のまとめ

1. 場面緘黙は、特定の場で話せなくなる症状のこと。

2. なりやすい人には特徴がある!親の育て方によってなることは稀。

3. 正しい理解を!誤った接し方は、症状を悪化させてしまいます。

4. 声を出すためにはスモールステップの対応がいい。最初から話すことを無理強いしないようにしましょう。

 

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